健康保険の「被扶養者認定」の理論
令和8年4月から、健康保険の被扶養者になる者の年間収入の認定方法が変更になります。
「被扶養者の認定」を行う場合は、①被扶養者の働いている会社の「労働条件通知書」又は「雇用契約書」の写し及び②被扶養者の収入が「給与収入のみである」旨の申立を行うことによる認定方法に変更になります。
- 被扶養者の収入基準(年齢は、被扶養者の年齢を指します。)
(1)60歳未満の場合→年間収入130万円未満、月額換算108,333円以下)
(2)60歳以上の場合→年間収入180万円未満、月額換算150,000円未満)
(3)19歳以上23歳未満の場合→年間収入150万円未満、月額換算125,000円未満)
(4)同居の場合は、(1)~(3)かつ被保険者の年収の半分未満
(5)別居の場合は、(1)~(3)かつ仕送り額未満となります。
(6)60歳の年齢は、60歳に達する日以降の年齢のことですが、19歳以上23歳未満の年齢は、12月31日現在の年齢により判断します。
(7)収入は、過去の収入ではなく、将来に向かっての年間収入のことをいいます。 - 令和8年3月までは、年間収入の見込みを「課税証明」等、過去の収入証明で判断していました。しかし、令和8年4月以降は、非扶養者の勤務する会社が発行した、「労働条件通知書」又は「雇用契約書」の写し及び被扶養者の収入が、「給与収入のみである」旨の申立で行うことに変更になります。
具体的には、「雇用契約書」等の書類において、時給額・労働時間・勤務日数等により、年間収入を計算し基準未満かどうかを判断します。そのため、時間外労働割増賃金、賞与等の金額が不明の賃金は、除外して計算します。
労働契約の内容が雇用契約書等で確認できない場合は、今までどおり、「課税証明書」等により年間収入の見込額を確認します。年金収入や事業収入がある場合は、「年金額改定通知書」や「課税証明書」等により年間収入を判断します。 - 以上が原則ですが、未だに「年収の壁」つまり、「年間収入130万円(60歳未満の被扶養者)を一時的に超えても、被扶養者のままでいられる。」という特例が残っているため、話はややこしくなりますが、次のように考え方を整理すると、被扶養者は、①国民健康保険に加入するのか②夫の扶養のままでいられるのか?③健康保険の被保険者になるのか?がわかります。
- 事例
前提条件:健康保険の被扶養者妻(40歳)・X社に勤務・時給・パートタイマー
X社は、労働者数50人未満の会社・1日の所定労働時間8時間 (時給1,140円は千葉県の最低賃金)
(1)時給1,140円・1日5時間、月間20日間勤務→1,140円✕5時間✕20日=114,000円>108,333円→国民健康保険に加入する。
(2)時給1,140円・1日4時間、月間20日間勤務→1,140円✕4時間✕20日=91,200円<108,333円→夫の扶養のままでOKとなります。
(3)時給1,140円・1日6時間、月間20日間勤務(正社員の3/4以上働く場合)→1,140円・6時間✕20日=136,800円>108,333円→X社の社会保険に加入する。
(4)(2)のケースで残業があり、月間収入150,000円→「年収の壁」により、夫の扶養のままでOKとなります。

