ニュース01 有期雇用契約の「無期転換ルール」について

 「有期雇用契約」を更新し、通算5年を超えると、労働者は、次の契約を強制的に「期間の定めのない契約」(無期労働契約に転換=以下、無期転換という。)にする権利があります。無期転換の制度は、平成30年4月1日から施行されていましたが、制度を知らない労働者が多かった為、無期転換する労働者はあまりいませんでした。
 しかし、令和6年4月1日から労働基準法施行規則が改正され、有期雇用契約を5年超更新している会社は、更新時の雇用契約書に、「次回の更新時に無期転換することができる」旨の表示が義務づけられました。規則改正により、今後は無期転換する有期雇用労働者が増えることが予想されます。無期転換後の労働者の処遇をどうするか等、対策が必要です。

1. 会社が労働者との契約を解除したい場合、労働者に無期転換されると、労働者を「退職勧奨」するか、「普通解雇」(以下、「解雇等」という。)するしかありません。労働者と解雇等で揉めたくない場合は、会社は、労働契約を通算5年以内に解除するしかありません。会社が有期雇用契約を結ぶのは、臨時的な仕事をパートタイマーにして貰うためです。しかし、臨時的な仕事が何年も続いた場合、一般的には、次の4つの方法を採ります。有期雇用契約者(パートタイマー)を①正社員にするか、②限定正社員にするか、③無期転換社員(パートタイマー)にするか、④5年以内に雇止めするかです。
2. 定年年齢を超えた(仮に60歳定年とする。)労働者の場合、多くの会社では、1年ごとの有期雇用契約を締結します。理由は、やはり、雇用契約を解除する時、解雇等で揉めたくないからです。この場合も、有期雇用契約を5年以内で打ち切れば問題ありません。しかし、通算5年を超えると(65歳以上の年齢まで雇用し続けると)、「無期転換ルール」が適用されてしまいます。会社が労働者と揉めないように、定年退職者に「有期雇用契約」を採用したにもかかわらず、66歳以降は無期雇用契約に強制的になってしまいます。この問題は、定年退職者に限って無期転換を阻止することができれば解決します。「無期転換を阻止」することができる方法は、労働局に「有期雇用特別措置法」の申請を行うことです。
3. 労働局に認可されると、認可された会社は、合法的に労働者の「無期転換を阻止」できます。申請には、「就業規則の改訂」が必要です。古い就業規則の場合は、認可されません。
4. 揉めない自信がある会社は、「無期雇用契約」のままで構いません。労働者と揉めたくない会社は、「有期雇用契約」をお勧め致します。また、定年後、5年を超えて有期雇用契約で雇用し続ける会社は、「有期雇用特別措置法」の申請をお勧め致します。(65歳定年の会社も同じ)